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産婦人科

産科


妊娠期から新生児期を一貫した医療で二つの命を支える

産科は西胆振地域における唯一の地域周産期母子医療センターに指定されており、未熟児・周産期医療を担当しています。26週以降の早産に対応(※NICUの状況により対応困難な場合があります)、妊娠期から新生児期にかけて一貫した医療を提供しております。

時間外・休日を問わず、24時間体制で対応しております。さらに当院は、西胆振で唯一の日本周産期・新生児医学会から認定を受けた「指定施設」でもあり、日々の診療だけではなく、学術的な活動(医師・助産師・看護師による勉強会・症例検討会、Journal club、学会発表、論文作成など。)積極的に行っております。

また医師はもちろん、助産師をはじめとして産婦人科病棟スタッフ全員が学会認定の新生児蘇生法(NCPR)講習の認定Aコースを履修しており、定期的に新生児蘇生法(Neonatal Cardiopulmonary Resuscitation, NCPR)A・Bコースやスキルアップコースを開催して、新規スタッフへのNCPR資格取得や日々新生児蘇生技術の研鑽に努めています。

また新生児の出生直後の呼吸状態の悪化・急変に迅速に対応できるように、LDR室や帝王切開の時に使用するインファントウォーマーにはT-ピース蘇生器が常備されています。


新生児蘇生法(Neonatal Cardiopulmonary Resuscitation, NCPR)勉強会の様子


帝王切開の時に使用するインファントウォーマー


LDR室のT-ピース蘇生器


また、助産師による外来での面談や「助産師外来」などによって、妊娠経過中から助産師が関わるようにしており、医師・助産師が連携して多方面から妊娠・分娩に携わっています。「母乳外来」をはじめとするアフターケアも充実しております。

当院では、積極的に里帰り分娩や他院からの紹介、母体救急搬送にも対応しております。




【出産にかかわる対応】


妊婦健診・助産師外来


母親学級・両親学級


出産の準備・施設の案内


里帰り分娩について


出産後の支援


(covid-19) 妊婦健診・分娩(出産時)に関するお願い


地域周産期母子医療センターについてはこちら


~妊婦健診について~


通常の妊婦検診(問診、尿検査、母体体重測定、血圧測定)に加えて胎児の成長を確認するため腹部超音波検査を行っております。必要に応じて内診・経腟超音波検査を加えることがあります。また、事前に同意を得た上で特定の週数(20週、30週頃の2回)で胎児形態異常スクリーニング検査を実施しております。
詳しくは外来産科医師・助産師にお問い合わせください。


当院の産科外来には上記の目的も兼ねて2020年12月からGE Healthcare社の超音波装置Voluson E8(最新update版)を新しく導入し、より正確で詳細な胎児情報が得られるようになりました。地域周産期センターとして高度な胎児評価ができるように日々研鑽しております。さらに、新しい機能であるHDliveStudio®によって、下の図のように、よりリアルな画像を見ていただけるようになりました。


Voluson E8(GE Healthcare社)









※実際に当院で撮影された3D/4D画像です。妊婦さんに同意を得て掲載しております。


※当院では3D/4D画像に別料金はいただいておりません
妊婦検診の都度、担当医の判断でお見せしております。
ただし、外来混雑時や胎児の向きによっては、お見せ出来ないこともありますのでご了承ください。

当院での分娩方針について

●当院では分娩様式は原則自然分娩としております。分娩予定日を過ぎた場合や、社会的な事情がある場合には誘発分娩(計画分娩)となることがあります。
赤ちゃんの成長が乏しかった場合(胎児発育不全)や、破水・感染、早期産、胎位異常など)赤ちゃん側の原因や、筋腫核出術や前回帝王切開などの子宮手術後、常位胎盤早期剥離、前置胎盤、妊娠高血圧症候群、疲労などによる分娩進行の停滞などの母体側の原因により帝王切開での分娩となることがあります

●当院では和痛分娩は対応できません。ご希望される場合には、対応施設への紹介となりますのでご了承ください。

・誘発分娩について

内診などにより誘発分娩の方法は個別に決めています。
陣痛促進剤のオキシトシンやプロスタグランジンを用いた点滴による方法や、メトロイリンテルによる頸管熟化法を併用して誘発分娩を行っております。また、新しい誘発分娩の方法として,当院では2020年よりジノプロストン腟錠が使用できるようになりました。以上の誘発分娩についての詳しい説明は当院外来担当医にお問い合わせください。

・帝王切開について

当院では開腹方法は緊急の場合も含めて原則横切開(Pfannenstiel法、Joel-Cohen法)としております。
しかし、前置胎盤などの胎盤位置異常や1500g未満の未熟児の帝王切開の場合、縦切開の開腹既往があるなど、状況によっては縦切開となることがありますのでご了承ください。

また、2回目以降の帝王切開の場合、前回帝王切開の傷に瘢痕・ケロイドなど傷にお悩みのある場合には、当院・他院での実施に関わらず、可能な限り修復に努めております。詳しくは担当医にご相談ください。

帝王切開の切開方向


出生前診断について


当院では、ご希望の方には必ず検査説明、遺伝カウセリング(無料)を受けたうえで出生前検査(確率的検査)としてクワトロ検査または腹部超音波検査による1st trimester screening(FTS)を受けることができます。
なお、2つの検査の両方とも受けることはおすすめしておりません。

クワトロ検査

検査時期は妊娠15週頃から17週頃までです。妊娠15週未満は検査できません。外来で血液検査を行います。血液検査から血液中の4つの成分を測定して、赤ちゃんがダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、開放性神経管奇形である確率を算出する検査です。結果が出るまで2~3週ほどかかります。確率的な検査ですので、確定診断には羊水検査が必要となります。

FTSについて

検査時期は妊娠11週0日~13週6日です。FMF(The Fetal Medicine Foundation)の認定資格を取得した医師による胎児超音波検査を行っております。具体的には、NT(Nuchal Translucency)と呼ばれる胎児の首の後ろの皮下のむくみの厚さ(図1)を計測したり、鼻骨(NB)の有無(図1)、静脈管(DV)血流の逆流の有無(図2)、三尖弁逆流(TR)の有無を観察したりする(図3)ことで、ダウン症(21トリソミー)、13トリソミー、18トリソミーの染色体異常のリスクを算出することが可能です。また妊娠高血圧症候群のリスク評価(UA)(図4)もあわせて可能です。既往歴のある方や家族歴がある方は主治医にご相談ください。ほかの検査と同様に確率的な検査ですので、確定診断には羊水検査が必要です。さらに詳しく知りたい方は担当医に相談してください。なお、上記のようにFTSは有資格検査(NT、DV、TR、NB、UAはすべて資格が必要、年次更新必須)ですので、日によって対応できない場合がございます。検査をご希望される場合は、10週より前にあらかじめ外来産科医師・助産師にお伝えいただくようお願いいたします。医師の異動によって事前にお報せなく検査実施不可となることがあります。






※羊水検査について


当院では確定的検査として羊水検査が実施可能です(絨毛検査は対応できません)。検査適応や詳しい検査内容・方法については当院産科医師にお問い合わせください。


婦人科


一般婦人科診療として、子宮や卵巣の腫瘍の他、無月経、不正出血、月経痛、月経量の異常、性感染症、更年期障害、子宮脱・下垂、異常な帯下、かゆみなど婦人科関連のあらゆる症状に対応いたします。不妊治療にも対応しております。

当院では腹腔鏡手術を積極的に行っています。婦人科良性疾患(子宮筋腫や卵巣嚢腫など)のために手術が必要な場合は、まず腹腔鏡や子宮鏡などの内視鏡を用いた手術が可能かどうかを検討し、できるだけ負担の少ない手術を目指しています。

当院では、緊急時の手術は時間を問わず受入を行っております。急性腹症、子宮筋腫、茎捻転、卵巣腫瘍など、もしもの時はご連絡ください。


日鋼記念病院のがん治療


婦人科良性疾患 (代表的なもの)


子宮筋腫
さまざまな子宮筋腫の治療を行っています。子宮をすべて摘出する子宮全摘術と子宮を温存する筋腫核出術があります。開腹手術から腹腔鏡下手術・子宮鏡下手術まですべての治療方法に対応しています。
卵巣嚢腫
主に腹腔鏡にて手術をおこなっています。
子宮内膜症
症状、年齢に応じた治療(ホルモン療法、手術療法)を行っています。個々のライフスタイルにより治療は異なります。どの薬物療法が適しているのか、どの時期に手術をするのか、相談しながら最適な治療方法を決めていきます。
更年期疾患
症状に応じてホルモン補充療法や漢方療法などを行います。閉経後骨粗鬆症も最近注目されていますが、当院には骨密度を測定できるDEXAという機械が設置されております。
子宮脱
ペッサリーを用いた保存的な外来通院治療や手術療法があります。年齢や症状などに応じて最適な方法を決めていきます。

婦人科悪性腫瘍疾患(婦人科がん)について


婦人科がん(子宮がんや卵巣がん)の診断・治療は、婦人科のみならず、放射線科、病理診断科、そして緩和ケア科と協力したチーム医療が極めて大切です。また、医師・薬剤師チームによる抗がん剤の適正使用や副作用対策なども重要です。 当院は地域唯一のがん診療拠点病院として悪性腫瘍手術を積極的に行っており、これらのチーム医療を提供しております。また、早期発見のため検診にも力をいれておりますのでご相談ください。

子宮頸がん
子宮の入り口の部分(子宮頸部)にできるがんです。手術療法、放射線療法、化学療法の組み合わせにより治療を行います。また初期癌に関しましては、侵襲を少なくするための縮小手術も行っております。
子宮体がん(子宮内膜がん)
子宮の奥の部分(子宮体部)にできるがんです。原則として手術療法ですが、子宮温存が希望でごく初期のものにはホルモン療法を行う場合もあります。
卵巣がん
卵巣がんにおいては根治手術が可能な症例は根治手術を施行し、腫瘍が広範に広がっているような症例では術前化学療法により腫瘍を縮小させ、その後根治手術を行っております。

当院の不妊治療


お子さんが欲しいけれど、なかなかできにくいとお悩みの方、お気軽にご相談ください。当院では不妊症関連の一般的な検査からタイミング療法、排卵誘発療法、人工授精までの治療を行っております。
ただし、体外受精・顕微授精などの高度生殖医療は扱っておりません。適応の方は近郊の高度生殖医療施設へのご紹介となります。

不妊症とは

「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。
不妊の原因は様々ですが、男性側、女性側あるいはその両方に原因がある場合がありますが、原因不明のこともあります。お悩みがあれば、まずはご相談ください。

不妊症の検査

★内診・経腟超音波検査
子宮内膜症や子宮筋腫、クラミジア感染症などの病気がないかどうかを調べます。子宮内膜ポリープや子宮内膜症、子宮筋腫などの疑いがある場合には、子宮鏡やMRI検査を追加して行う場合もあります。
★子宮卵管造影検査
左右の卵管の通過障害がないか、子宮の形に異常がないかどうかを調べます。
★ホルモンの検査(血液検査)
女性ホルモンの分泌や甲状腺機能、血糖値などを調べる血液検査です。妊娠が成立する時期(黄体期)に十分な女性ホルモンが分泌されているかどうかを調べておく必要もあるため、一般的には月経周期にあわせて2回の検査を行います。
★子宮内宮の検査(子宮鏡検査)
軟性鏡(ファイバースコープ)を用いて子宮の内宮を直接確認する検査です。麻酔は不要で、通常の外来で実施できます。子宮内膜ポリープや子宮筋腫、慢性子宮内膜炎など不妊症につながる病変の診断に有用です。実施可能な時期は月経終了直後から排卵直前までと期間が限られていることはご留意ください。
★性交後試験(Huhnerテスト)
排卵直前の最も妊娠しやすい日に性交を行い、翌日、女性の子宮頸管粘液を採取し、その中に運動精子を認めるかどうかを調べます。直進運動精子が認められない場合は、免疫因子(抗精子抗体)の有無などを調べます。

一般不妊治療

女性に限定してですが、主に当院では以下の治療を行っております。

★タイミング療法
排卵の1~2日前ごろ、最も妊娠しやすいと言われている時期に性交を持つようにする方法です。卵胞の大きさや子宮頸管粘液、尿中ホルモンを測定し、排卵日を推定します。排卵日の周辺で数回の通院が必要な場合があります。
★排卵誘発療法
内服薬や注射で排卵を促す方法です。注射の場合、頻回の通院が必要なことがあります。排卵障害の場合に使用する方法ですが、正常の排卵があっても、妊娠率を上げる目的で使用する場合もあります。
★人工授精
マスターベーションで採取した精液から良好な精子を取り出して、最も妊娠しやすい時期に子宮内に注入する方法です。

外来診療表

産科


一般受付時間 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 予約制 出張医
嶋田
嶋田

婦人科


一般受付時間 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 予約制
嶋田
鈴木
嶋田
出張医
出張医
鈴木

医師紹介


日鋼記念病院 嶋田  浩志

科長

嶋田  浩志

平成22年 札幌医科大学卒
医学博士
日本周産期・新生児医学会 周産期専門医(母体・胎児)暫定指導医
母体保護法指定医
日本産婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース インストラクター
日本母体救命システム普及協議会 J-CIMELS インストラクターコース修了
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会 修了
妊娠初期超音波資格 -The Fetal Medicine Foundation認定-
NT certificate
NB certificate(鼻骨資格)
TR certificate(三尖弁逆流資格)
DV certificate(静脈管血流資格)
UA certificate(子宮動脈血流資格)

日鋼記念病院 鈴木  美紀

医師

鈴木  美紀

平成14年 札幌医科大学卒
新生児蘇生法インストラクター
日本産科婦人科学会専門医
日本産婦人科学会暫定指導医

日鋼記念病院 杉山 芽

医師

杉山 芽

令和2年 札幌医科大学卒

日鋼記念病院 今 沙織

医師

今 沙織

平成23年 岩手医科大学 医学部卒業
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本周産期新生児医学会 新生児蘇生法 Aコース資格
日本母体救命システム普及協議会 ベーシックコース終了


実績 分娩統計、手術件数


分娩統計


  2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
総分娩数 501 426 480 454 444
緊急帝王切開 35 30 33 51 51
選択帝王切開 46 42 42 55 53

※4月~翌年3月までの年度統計

婦人科手術内訳


項目 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
悪性腫瘍手術 33 23 15 25 15
  子宮悪性腫瘍手術 30 19 10 21 8
  子宮附属器悪性腫瘍手術 3 4 5 4 7
子宮全摘術 53 46 39 46 37
  全腹腔鏡下子宮全摘術(TLH・LH) 36 29 20 22 23
  膣式子宮全摘術(TVH)    2   3  1
  腹式子宮全摘術(TAH) 17 15 19 21 13
子宮筋腫核出術 8 6 10 6 4
  全腹腔鏡下筋腫核出術(TLM) 2 4 3 2 2
  腹腔鏡補助下子宮筋腫核出術(LAM)        1  
  子宮鏡下筋腫核出術(TCR) 5 2 3 2 1
  腹式子宮筋腫核出術  1 4  1 1
附属器手術・卵巣腫瘍摘出術 19 35 38 24 17
  腹腔鏡下附属器摘出術(TLA) 8 20 23 13 9
  腹腔鏡下卵巣腫瘍核出術(TLC) 5 11 11 8 3
  腹腔鏡下卵管切除術  2  1  
  腹腔鏡下卵管クリッピング術  1      
  腹式卵巣腫瘍核出術  1   1  2
  腹式附属器摘出術 3 2 4 2 3
子宮脱・膀胱瘤手術 4 3 10 9 6
  膣式子宮全摘手術+膣壁形成術  6  5 3
  膣壁形成術 2 3 3 1 2
  膣閉鎖術  2 1  3 1
子宮鏡下内膜ポリープ切除術 6 2 13 7 5
異所性妊娠手術 5 3 3 1 2
  開腹異所性妊娠手術  1      
  腹腔鏡下卵管切除術 4 3 3 1 2

※4月~翌年3月までの年度統計